今回は、20代の投資における勝ちパターン いわゆる「戦略」を考えていきます。
投資戦略の考え方
そもそも投資戦略とは何か
投資戦略とは、目標を達成するために投資を計画的に行う方法や方針のことです。具体的には、どの金融商品にどれだけの資金を投じるか、いつ売買するか、リスクをどの程度許容するかなどを決定するプロセスを指します。投資戦略を持つことは、感情や一時の流行に流されず、長期的な視野で資産を増やすために不可欠です。
投資戦略には様々なタイプがあります。例えば、「インカムゲイン重視」の戦略は配当や利子収入を目指し、「キャピタルゲイン重視」の戦略は株価や資産価値の上昇を狙います。また、「長期投資戦略」は時間をかけて資産を増やす一方、「短期投資戦略」は短期間での利益を狙います。
20代にとって、投資戦略を立てることは将来の経済的安定を築く第一歩です。具体的な目標を設定し、それに合わせた戦略を組むことで、効率的に資産を増やすことができます。まずは、自分のライフスタイルやリスク許容度を見極め、最適な投資戦略を見つけることが大切です。
投資ルールを決める
具体的な戦略を考える前に、自分なりの投資におけるルールを考えることが重要です。
生活防衛費は確保できているか、そもそも何の目的で投資をするのか、現金比率はどれくらいにするか、ポートフォリオはどうするかなど自分なりのルールを決めてから投資をするようにしましょう。
投資ルールについては、以前記事にまとめているのでそちらもご確認ください。
20代の勝ちパターンを考える
20代の利点を最大限に活用!
みなさんは、投資における最大の味方は何だと思いますか?
それは、ズバリ…時間です!
短期間で株価などが安い時に買って、高い時に売るというイメージを持っている方が多いと思いますが、初心者が株価を見極めてデイトレードをするのはかなりハードルが高いです。
そのため、短期的な利益に執着するのではなく長期的な視点で考えることが重要です。
これからが働き盛りの20代は、入金力やライフスタイルの面でも他の世代を一歩リードしていると言えます。この利点を活かさないのはもったいないですよね。
なぜ時間は投資における最大の味方なのか?
こちらは、1980年からの世界のGDPと株価を示したグラフです。これを見てどう思いましたか?
経済はずっと右肩上がりになっていますね。意外でしたか?
昨今の日本では、モノの値上げに給与の上昇率が追い付いていない、家計が苦しい…と感じている人も多いのではないでしょうか。でも、実際は世界の経済はずっと右肩上がりに上昇し続けているのです。
もちろん、リーマンショックやコロナによる経済活動のストップなど一時的に経済が低迷することはありますし、今後も同じような世界恐慌はあり得ると思います。
それでも最終的に、数年(数十年)で経済は回復し、今もなお右肩上がりの成長を続けてるのです。
人間には「もっと豊かになりたい」という欲があり、それに応えるために新たな製品やサービスがどんどん出てきますよね。その波に乗れない企業は淘汰されていき、選りすぐりのビジネスだけが残ります。そういう会社の株価はどんどん上昇し世界の経済を引っ張っていってくれるのです。
何に投資すればいいの?
経済が右肩上がりに上昇し続けるとして、私たちは何に投資すればいいのでしょうか?
世界の株価は上がってると言われても、世界中の株ってどうやって買えばいいの?と思いますよね。
世界中の経済ニュースを見ながら株式投資をするなんて専門家にしかできません。
そんな人が買う投資商品としてピッタリなのが「投資信託」です。
投資信託とは
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を一つのファンドとして運用し、株式や債券、不動産などに分散投資する金融商品です。
要するにプロの投資家がたくさんの人から少しずつお金を集めて代わりに運用してくれるということです。投資信託を購入する人はプロにお金を預けるとあとはほったらかしで資産運用をしてもらいます。
自分の資産を勝手に運用されるなんて怖い!何に投資されるか分からない…と怖がる必要はありません。投資信託と言っても様々な種類があり「この商品は、こういう方針でこの割合で投資しますよ」とルールが決まっていてその通りにプロが運用してくれます。
そのルールから逸脱することはないので、自分に合った投資信託を選べば安心してプロに運用を任せることができます。
投資信託の種類
では、そのたくさんある投資信託のうちどんなものに投資すればよいのでしょうか。すべては紹介できないので、SBI証券のランキング上位の投資信託と、特徴的な投資信託を紹介します。
(参考)SBI証券 投資信託ランキング
三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式
SBI証券のランキングで1位の投資信託がこちら。
いわゆる「オルカン」と呼ばれるものですね。オルカンは、世界中の株式に投資するファンドです。
全世界の株式に分散して投資することができます。
投資割合は以下の通りで、薄めの色が先進国、濃い目の色が新興国と言われる国への投資です。
オールカントリーと言われると、すべての国に平等な割合で投資していると思いがちですが、その割合はほとんど米国だということが分かります。
オルカンには2種類あり「三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」もあります。
読んで字のごとく、日本を含むか除くかが違いなのでどちらに投資したいか間違えないようにしましょう。
三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
2位にランクインしている投資信託がこちら。
こちらは米国の株式に投資するファンドです。米国のすべての株式に投資するわけではなく、米国の株価指数の1つであるS&P500に連動しています。
米国を代表する企業500社に投資するため、米国株式を大体カバーできる投資信託といえます。
世界経済の中心であるアメリカに投資したいと考える方にはおすすめの投資信託です。
また、似ているファンドとして「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」もあります。
2つの違いは、ファンドが直接米国の株式を買っているのがeMAXIS Slimで、ETFを通して米国株式を買っているのがSBI・Vです。初心者の方は両者の違いを厳密に理解してどちらか選ぶ必要はないのではないかと思います。私もどちらも持っています。
三菱UFJ-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
少し変わり種の紹介です。値動きが大きくリターンを狙いやすいので株式まとめた投資信託が人気の傾向がありますが、高いリターンが狙える分リスクが大きいのが株式投資です。
プロに運用を任せるからといって株式に全振りするのは怖い、もう少しリスクを抑えたいという投資初心者におすすめなのが、三菱UFJ-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)です。
この投資信託の特徴は8つの資産にバランスよく投資をするルールで運用されていることです。
資産の中には株式だけでなく、債券やリート(REIT:不動産投資信託)にも分散して投資できますし
株価が上昇してその割合が増えると、自動で8つの資産が均等になるようにバランスをとってくれます。
ここまで紹介した投資信託は、コスト(投資のプロに渡す手数料のようなもの)も少ないのでその点からもおすすめの投資信託と言えます。
これぞ!20代の勝ちパターン!
20代が投資信託に投資するとどうなる?
それでは、20代の人が投資信託を買った場合どうなるのか検証してみましょう。
月々10万円の投資を続けると25年後、50歳になったときに6,000万円弱の資産を保有しています。
結構な金額ですよね。何よりも注目して見てほしいのは、元本の緑色の部分に比べて、運用収益の黄色の面積が年を重ねるごとにぐっと増えていることです。
これこそが長期投資の醍醐味ですね!
利回り5%は過去の成績を見ても不可能な数値ではありませんし、実際の平均利回りを見るとむしろ少し謙虚に計算した方だとも言えます。
(実際に、過去25年を焦点にすると平均利回りは7%ほどで、その場合は25年後に約8,100万円です)
結局のところ、20代の勝ちパターンはこれ!
ここまで20代が投資でどのような行動をとれば勝ちパターンが作れるのか考えていきましたが、結局は平均的に5~7%の利回りをたたき出す投資信託に地道にコツコツ入金していくことが最善ではないでしょうか。
一度積立設定をして、あとは放置しておけばいいのです。完全放置で60歳になったときに6,000万円なんて夢のような話ですよね!
実際の投資成績はシミュレーションのようになだらかに右肩上がりにはなりません。
山あり谷ありで最終的に「平均利回りが●%だった」というのは終わってからわかることです。
勝ちパターンを作るにはどんなに株価が暴落しても、世界恐慌がやってきても、1度決めたルールを守り淡々と入金を続けていくことです。これは、簡単そうでとても難しいことです。
20代が今すべきこと
今から20年後、30年後にどの選択が正解だったかは、その時が来ないと分かりません。
まさしく神のみぞ知る領域です。
それでも長期的に成長を続けている世界経済にまとめて投資することはベストな選択とは言えないかもしれませんが、ベターな選択とはいえるのではないでしょうか。
少なくとも私はそれを信じて20代のうちから投資商品を買うことにしています。
投資は、はじめようと思ったときが最大のはじめ時です。今は株価が高い、円安だからなど言い訳をして投資をスタートしないことはとても簡単ですが、世界経済が右肩上がりに上昇する今、1年でも1ヶ月でも1日でも早く投資をスタートすることが重要だと言えます。
投資である以上、確実なものは何もありませんし、損をすることだってあり得ます。
それでも、損を取り返す時間があるのも20代の利点です。
とりあえずやってみる!1万円、千円からでもやってみて、自分に必要だと思えば金額を増やすことだってできますし、やめようと思えば買った投資商品を売るだけで元の生活に戻れます。
今後、具体的な投資信託の商品や私が投資をはじめたときに買っていた商品(失敗談も…)まとめたいと思います。この記事を読んでみなさんが少しでも投資に興味を持って一歩踏み出してもらえると嬉しいです。